襖障子張替塾 塾長 割子田 和美(ワリコダ カズミ)
あーと襖工房 代表
平成7年(1995年)より、全くの未経験から「襖・障子事業」を自店の畳店で始める。
表具師 道免末信氏に師事し、襖障子事業の基礎から応用まで学ぶ。
平成11年(1999年)より、襖事業の拡大に伴い、パート従業員数名と襖張機2台を順次導入し、大量の賃貸物件や同業の畳店からの下請け、一般個人物件を行いながら、表装でもある屏風など幅広いニーズに応える。
平成15年(2003年)より「アート襖工房」として、襖障子工具やカラー障子紙など材料の販売を始め、全国各地で「畳店の女性が自店で襖障子事業を行うメリット」などの講演、講習、実演やアドバイザーを行う。
平成22年(2010年)に、女性襖店オーナーとして愛知県名古屋市に「あーと襖工房」で、襖店を1人で開業させる。
平成28年(2017年)、襖店を閉店し、畳店への講習指導を中心とする。
自身が畳店として襖障子事業をゼロからスタートし、1から覚えた経験を活かした講義講習指導は、畳店に寄り添い過去のエレクトーン講師経験からも一人一人に合った、分かり易く的確なアドバイスであり、女性目線な内容だと好評を得ている。
たたみ屋さんへの想い
私は和室が大好きです。夏は涼しく冬は暖かく、畳は身体全体を大きく伸ばし大の字になってごろ寝ができて、襖は軽く、取り外しが簡単で仕切りができたり広いワンルームにしたり自由自在。障子は外からの日差しを部屋全体に明るく柔らかく包みます。
和室は世界に誇る日本の文化で、いつまでも残って欲しいと思います。
私も25年程前に、襖障子事業で自分の畳店の仕事の幅を広げたら仕事が増えていくだろうと思い、畳屋から襖障子経験ゼロでスタートしました。知識も技術もなく、問屋も何処にあるのかわからず、張り方を教えて貰える所もなく失敗ばかりの繰り返しでした。縁あって県外に師と仰ぐ方に巡り会え、「襖障子のプロ」になれるようお願いし毎回自分で課題を決めて通い続けました。
その頃は、畳店が自店で張替え全てを作業している店は少なく、「いつか全国の畳屋さんが
私のように襖障子事業を始める時が来る。その時に私が経験してきたことが同業の畳屋さんに役立てるかもしれない」と強く思い、また師匠は私に「お前に教えたことが、いつか枝となって広がっていくのだろうな」と言って指導してくれました。
私がこれまで経験してきた様々な挫折や失敗が、たたみ屋さんに少しでもお役に立てるように。それから職人の妻、嫁、母として経験してきた悩みや思いなども聞く耳を持ち,分かり合える立場でもあると思います。
同業者で同じ経験をしてきた私だからこそ、誰よりも失敗や苦労そして上手くいったときの喜びがわかり共感できると思い、おひとりおひとりに寄り添ってお手伝いしていきたいと思います。
畳と襖障子は共栄共存。
どちらも確かな知識と技術を持って、お客様が求める和室が末永く残っていくことを願っています。